五条川の桜の花が満開となり,まさにあたらしい命の鼓動が聞こえてくる
ような,すがすがしい今日のこの良き日に,新入生保護者の皆様方の御臨
席をいただき,岩倉市立南部中学校 第31回入学式を挙行できますことに,
心から感謝申し上げます。
  138名の新入生の皆さん,入学おめでとう。今日皆さんは,晴れて南部
中学校の生徒になりました。心から,みなさんを歓迎いたします。

 さて,中学校とはどんなところでしょうか。

 中学校は,学ぶところです。
 小学校では,生活していくための基礎を学びましたが,中学校では,学問
の基礎を学びます。各教科や道徳などの学習をすることによって,例えば,
社会のしくみがわかり,自然の営みがわかり,ひとの心が理解できるように
なります。それは将来,人としてよりよく生き,よりよい社会をつくるための
力になるのです。

  中学校は,つくるところです。
 他の学校からの新しい友達もできます。新しい先生,部活では先輩がいま
す。さらに,地域の人たちとも,関わりをつくっていきます。いろいろな人たち
との出会いによって,生き方のイメージやあこがれをつくっていくのです。

  中学校は,伸ばすところです。
 心も体も信じられないくらい成長する中学生の時期は,無限の可能性を秘
めています。勉強だけでなく,部活動や生徒会活動,ボランティア活動などに
進んで取り組み,それぞれの良さを伸ばしていきましょう。
 中学生の時期は,体力や気力を鍛えるのにも一番良い時期です。健康や
体力を向上する方法・習慣を身につけながら,病気や誘惑に負けない,たく
ましい心と体にしてほしいと思います。

 一つ,みなさんへお願いがあります。
 それは,「自分のために生きる自分から,人のために生きる自分へと成長
してほしい。」ということです。
 南部中学校へ入学し,先生方や新しい同級生と出会いました。わずか12
年の短い期間ではあっても,今日まで皆さんにはそれぞれの人生がありまし
た。一人一人の個性も能力も少しずつ違っているのが当たり前です。
 世の中には,友達の何気ない一言で,生きる勇気を奮い起こす人もあれば,
何気ない一言に傷つく人もあります。お互いがお互いの違いを認め,尊重し
合い,大切に考えて日々を過ごすとき,南部中学校には笑顔があふれ,楽し
い場所になると思います。

 保護者の皆様に申し上げます。本日より大切なお子様を中学校にお預かり
します。本校職員が一丸となって,生徒一人一人に込められたそれぞれの親
の願いに沿えるよう,誠心誠意努力して参ります。
 南部中学校では,「開かれ,つながり,愛される」学校を目指して,地域から
学校へ人をお招きし,また,学校から地域へ出かけていっています。
 中学校の教育は学校だけで完結するものではありません。家庭・地域との連
携・協力があってこそ,岩倉市,日本の未来をゆだねる立派な人材が育つと考
えています。
 私どもも,学校の現状について,飾ることなく,率直に情報を発信して参ります。
皆様におかれましては,ぜひ御理解・御協力の程をよろしくお願い申し上げます。
学校の主人公は子どもたちです。子どもたちの瞳が輝き,命が躍動し,一人一
人が健やかに成長できる学校づくりへの決意を述べ,式辞といたします。

平成19年4月5日

                                 岩倉市立南部中学校長 
                                        土 井 謙 次